のおとのノート

若者の”勇気ある一歩”を見まもる「のおと」主宰者のそこはかとない書き散らかしです。

橘家

2013年3月号

3月分の学校通信用の文章です。
編集前で荒い文章ですがご容赦を。

-----------------------------------------
平成24年度がまもなく終わろうとしています。
前述しましたが、3年生の皆さんは卒業を迎え、
2年生はいよいよ進路を確定する時期になります。
1年生は1年の流れがやっと分かったところでしょう。

私は、生徒の皆さんには「自律した人」を目指して欲しいと願っています。
「自律した人」とは、正しい価値観を持って自分でしっかり考え、
判断し、自分の力で自分の人生を切り開いていくことができる人の事です。
「自律するためには」ということをすべての基盤として
生徒の皆さんと日々向き合ってきました。

本田技研工業(HONDA)の創業者、本田宗一郎氏に
「学校で教えることも必要だけれども、 教えるのは過去のことなんだ。
ほんとに必要なのは、未来なんだ。」という言葉があります。

確かにそのような側面もあると思います。
しかし、私は5年先、10年先の生徒が笑顔で生きてくれることを願って
この場にいます。
そのために何をなすべきか。
未来を見つめてすべての対応を行なってきたつもりです。  

今の環境は褒め・励まし・叱り・赦し・諭すを繰り返す、
という学校の役割から時にぬるま湯とも言える状況があります。
しかし社会は厳しく、時に辛く険しい壁が行く手に立ちはだかることも
当然のようにあるでしょう。
卒業すれば他人がいちいち世話を焼いてくれる機会が少なくなり、
反比例するかのように自らの責任で人生の選択を行う機会が増えていきます。
だからこそ未来に必要なのは「自律」なのです。

大人は時に若者を正しい方向へ導くどころか悪い影響を与えます。
「世の中こんなもんだ」
「今さえ良ければいいんだよ」
「金と権力が全てだ」
「努力しても無駄、やめとけ」
「自己保身と自分の利益を最優先する」
・・・若者が尊敬するに値しない大人もいるでしょう。

私が口を酸っぱくして言い続けていることをざっと並べてみます。
「自分が真になすべきことを考える」
「自分自身を把握する」その上で
「自分を上手くコントロールできるようにする」そして
「他人と誠実に向き合い、何かしてもらえば感謝する」
「卑怯なことをせず、落ち度があれば素直に謝罪する」
多くはこんな内容です。

世の中や他人をナメている、ウソや逆ギレなどの不誠実な態度、
いい加減なことをやる癖・すぐに投げ出す癖・時間を守らない癖は
社会人になってから大きな障害になります。
これらに対しては時に厳しく何度も諌めてきました。

たとえ不誠実なものに影響を受けることがあっても、
自ら軌道修正出来るようになって欲しいのです。
いつも絶好調の人生なんてありません。

この軌道修正こそが「自律」なのです。
生き方が不器用でも、大金持ちにならなくても、
誠実な人でいて欲しいと思います。

どうか誠実さをベースに自律した人になり、
自分の好きな仕事を使って世の中を笑顔で渡っていける人になってください。
ここで得た何かひとつでも卒業後の人生に役立てば本望です。