のおとのノート

若者の”勇気ある一歩”を見まもる「のおと」主宰者のそこはかとない書き散らかしです。

橘家

2012年11月号

【学校通信用に書いた文章です】

 

最近、私が大好きだったドラマの再放送がBSではじまりました。
王様のレストラン」(1995)です。

この作品は脚本を担当した三谷幸喜の出世作。

伝説のシェフであったオーナーが死去し、従業員の質が下がって客足が遠のいてしまった
フランス料理店で、新しいオーナーになった青年と彼の願いで復帰した伝説のギャルソン
(給仕長)が店を立て直す姿をコメディータッチで描いた物語です。
その第1話で伝説のギャルソン・千石が理不尽な客に対し冷静にこう言い放つのです。

 

「私は先輩のギャルソンに、お客様は王様であると教えられました。

しかし、先輩は言いました。王様の中には首をはねられた奴も大勢いると」

 

 “お客様は神様”という言葉を履き違え、金さえ払えば全能の神のごとく思うがままに
振る舞っても良いだろうという態度の人が増えていると聞きます。
最近では「モンスター・カスタマー」と呼ばれているようです。

私も一般企業に務めている時期は、コールセンターでクレームの対応や
全体の集計・分析などを行なっていましたが、罵詈雑言は勿論のこと、
脅しに近い理不尽な要求など日常茶飯事のように見聞きしてきました。

 

 客と店員であろうが、他人とのコミュニケーションにおいて、
人として最低限のモラルやマナーは不可欠です。

自分の主張が正しいかどうかを常に判断する、間違っていれば素直に謝り、
自分のために労力を使ってもらえば感謝する。
この「当たり前」のことが大人でも“引っ込みがつかない”ことや“くだらないプライド”が
邪魔して意外と出来ていない事が多いのではないでしょうか。

 

 特別なことが出来る人よりも、
当たり前のことをさりげなく出来る人のほうがカッコイイと思います。

生徒たちには「カッコイイ大人」になって欲しいと願っています。